2016年5月29日日曜日

ルパンの新たな見方を教えてくれた「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」

「怪盗ルパン伝 アバンチュリエ」の奇厳城編が、2年以上にわたる連載を終えて単行本も発売し、現在は完結記念の応援キャンペーン中!
ということなので、遅ればせながら感想など少々。

               

ルパン譚の読者として、今まで欠けていた「作中の時系列順に読む」という視点を意識させてくれたのは、このアバンチュリエならでは…というより、移籍後の1巻あとがきに載ってた年表でした。




「奇厳城」といえばポプラ社版だと1巻目ですし、名作全集的なものでも単品で出されることが多いのですが、順番的には初期の「怪盗紳士」だったころの最後を飾る作品なのですね。
以降は813、水晶の栓、棺桶島…と、「サロンとシャトーしか狙わない華やかな怪盗」と言うよりハード路線に変わる転換点。
              
表紙のイラストがオッサンそのもの(好きだけど!)なポプラ社版を、テキトーな順番で親に買い与えられて育ったので、「若き怪盗アルセーヌ・ルパンの人生を貫く大河ストーリー」とはあまり考えたことが無く、子供の頃に読んだきりでそのままルパンから離れてる人もぜひこの点に着目して新たな読者になってほしい。

色々読み込んでいくと「お、ここはブラウン神父の説教シーン?」など、森田先生なりのアレンジを加えてキャラが深まってたり、数年がかりで伏線が回収されたりで、二度と途絶えさせてはならない大河連載であると言えましょう。


2011年に始まって5年、まだ年表の4番目。次は「813」だから更に長くなるのか~……。
間に短編とか挟んだほうが良いような気もしますが、読むほうも力尽きずに追って行かなければなりません。