2013年3月20日水曜日

辻真先 全仕事大回顧:ミステリ編Part2

3月15日に、そろそろおなじみになりつつある会場「ビリビリ酒場」で行われた
「辻真先・80歳傘寿。いまだ現役。全仕事大回顧:ミステリ編Part2」にいってきましたよ。

80歳とは言え非常に元気な辻先生。この日もイベント終了後に熱海まで帰って執筆だとか。すごいですなぁ~…
「ミステリ編」と題打ってはいますが、66年の作家デビューから79年までに(多すぎて一回では終わらないw)出した著作を振り返っていくと言う流れでした。


「世界名作文学」のノベライズも各種なさってらっしゃいますが、あまりにも多すぎて聞いてる方も数えられなかったり(笑)
1年で14冊出てた時もありました…


「どろろ」のノベライズを担当した際の、
「(マンガの)人気が無いので打ち切りに。おかげで小説も締め切りが半年も短くなった!手塚先生もまさか、どろろが女だなんてあの時考えてなかったろうね(笑)」と言う話は笑えました。一応伏線はあったけど唐突だもんなぁ~。



「朝日ソノラマ」から出ているものがやはり多いのですが、
「ライトノベルなんだけど、この頃の表紙は萌えの絵じゃないのでラノベと認めてもらえない」とか「男の娘」とか「『キングダム』面白いね」などと言う言葉もポンポン飛び出すのですが、お歳を考えると驚異的です(笑)


アニメの仕事にも言及があり、「キューティハニー」「デビルマン」「ドロロンえん魔くん」が同じ年に来てすごく忙しい時にあの「東映労働争議」が起こってしまい、「東映に行って書くわけにはいかないから、青山で歩きながら会議した(笑)」とか、「『コンバトラーV』は名前を考えるのが面倒でね~。御茶ノ水の次の快速駅だから四谷博士とか、麻雀の東南西北を当てはめたりね。麻雀は知らないんだけど便利です(笑)」なんてのは聞いちゃうと少し夢が壊れます(笑)


マンガ家や他の原作者に関するエピソードでも…
・横山光輝さんはこちらの書いた原作どおりにやってくれる
・豪ちゃんの紹介で石川賢と組んだ(勝海舟)
・竹宮さんは本当に上手かった~…
・池上遼一はすごくマジメでね。マンガ描くために少林寺に入門しちゃったり(笑)
・普通はシナリオの形式で原作を渡すけど、梶原一騎は電話(笑)

とまあ、この辺は各人のイメージと寸分狂いが無いですね。
「俺の空」のノベライズを辻先生が断ったというのはなんとなく納得でした。
そして永井豪はやはり「豪ちゃん」と呼ばれているのか(笑)

ちょっと苦言めいたものが出て印象的だったのが、「小説版ルパン三世」の話。

「最初に双葉社から出たけど、納品の箱あけたらマンガの絵が描いてあるので本屋から付き返された。3~4年後コバルト文庫から出たとき、僕もモンキーさんも何も手を加えてないのに35万部売れた。書店と言うのはどれだけ遅れてるのか…。それは今でも思いますよ。電子出版で育った人たちが大人にならないとダメだね」


本と言うメディアが色々厳しいこの時代、こういう声には耳を傾けていかなければなりませんね。