2013年2月23日土曜日

ミタライとアバンチュリエ5巻

今週はミステリのマンガが充実していました。
まずはモーニングの「ミタライ」。4週に渡った「山高帽のイカロス」が今回で完結。


注目はやはり、窓から引きずり出されてくる死体(マネキンだけど)の実演シーン。
絵ですから小説と違って想像力が働きませんが、豪快極まりないトリックが実にわかりやすく、かつ勢いを損なわずに伝わるのでこれもいいものですね。

このトリックを下手に実写化してしまうと、ドラマ版の「北の夕鶴2/3の殺人」のように「うーん、これはちょっと…」という絵ヅラになってしまうので、マンガがやっぱり向いている感じ。

ただ、麻薬関連についての記述がすべてバッサリと削ぎ落とされているため、いくつか重要な部分において説得力が弱くなってしまっているのは若干残念な所です。
やっぱり麻薬のネタは色々とマズイのだろうか…?




次にどの話をやるのかはわかりませんが、「紫電改研究保存会」あたりはマンガ向きと思われるので、是非読みたいですね。
また、雑誌の紙質だと十分に絵を受け止められていない感じがありますので、その意味でも単行本は楽しみ。
8月にコミックス2巻が出ると予告されてますが、次の連載も期待して待ちたいところです。



そしてもう一つは、3月から新天地「月刊ヒーローズ」に移籍する「アバンチュリエ」
http://www.heros-web.com/campaign/aventurier/
…のイブニング連載版完結編の5巻が発売したので速攻で購入!!
                        
近所のツタヤでは、棚に1冊差さってただけでした。平積みしてほしいトコだけど残念…。


4巻からはじまった「ルパン対ショームズ」全編に言えますが、とにかく圧倒的なテンション。

隠し通路をめぐるショームズとクロチルドのやり取りからは「ダルタニャン物語」での隠し部屋(宝物庫)に関するダルタニャンとマザランの駆け引きをちょっと思い出しました。「オペラ座の怪人」もそうだけど、フランスの大衆小説においては隠し部屋(通路)は定番の道具立てですな。


完全アウェーで、地元警察も内心では成功を願っておらず、友人も大怪我をさせられ、常にルパンに出しぬかれ続けた果てについに勝利を掴み取ったショームズ。
見開きの絵から伝わる圧倒的なカタルシス!
本家のホームズよりもヒーロー度が高く、物語もショームズ視点で進むということもあって、ここに至っては完全に感情移入させられてます(笑)


移籍後は「ユダヤのランプ」「奇厳城」と続く事が予告されており、こうなってくるとショームズの今後の扱いに関してはかなりの不安を感じざるを得ません(笑)が、「打ち切り決定→他誌へ移籍を目指す」という大変な戦いが並行する中、これほどの手腕を見せてくれた森田先生ですから、きっと傷が付かないように対応してくれるものと信じていますけどもね!!

とにかく来週発売の月刊ヒーローズは買って読みます。