2012年10月9日火曜日

孤独のグルメ展&谷口ジローの味わい方

9月30日に明治大学で「谷口ジローの味わい方」講座が行われたので参加してきました。

当日は、米沢嘉博記念図書館でやってる「孤独のグルメ展」の最終日でもあったので先にそちらを見学。

数話分の原画を順に展示してあり原画のまま1話分を読めるという、ちょっと前の「大友克洋GENGA展」と同じコンセプト。規模は100倍くらい違いますが…
単行本には収録されてない、ペルー料理の話が読めたのはよかった。

室内に置いてあるTVでは、ドラマ版のDVDが流れていました。そう言えば2期ももうすぐですね、チェックをお忘れなきよう。


のんびりしてたら講座が開始寸前になってましたが、どうにか滑り込んでスタート。
当日は台風と言う事で2時間の予定が1時間30分に。そこそこ遠いところから来ている身としては気になって仕方がありませんでしたが、谷口ジローさん本人に加え、次々に的確な資料を出してくる司会の宮本大人さん、そしてマンガ夜話でもおなじみの夏目房之介さん。海外での評価とも絡めて谷口作品全体を語ってらっしゃいました。いつもの軽快な語り口も健在。

宮本「夏目さんが谷口ジローを全く知らない人に紹介するとしたら、どうやって紹介します?」
との問いに、
夏目「今は日本よりフランスで有名な人なんだよ、というのが枕詞。そのあとに勧めるのはたぶん…『孤独のグルメ』か『歩くひと』」
                      
「歩くひと」は、小津安二郎的と言う事でフランスでも評価が高い模様。フランスと言えば小津映画ですもんね。谷口さん本人も小津映画の影響は大きく受けているそうです。
                        

孤独のグルメ連載の話が来た時は、編集者から「ハードボイルドグルメ」という謎の注文を受け
「これ、面白いのか?」(会場爆笑)と思いながら書いていたところ、3話目の「豆かん」の回で原作者&作画ともに手ごたえを得た…けど「何が面白いのか最後までわからなかったなぁ」(会場笑)とのことです。

「食べ物を美味しそうに描くのは限界がある事がすぐわかったので、美味しそうに食べる様子を重点的に描く」という話には納得。これが行き過ぎるとミスター味っ子のようになるのだろうか?

単行本も当初初版どまりだったものが、文庫化して人気に火が着いてからは年2回増刷。
私が持ってるのなんか40刷だもんなぁ…売れてるなぁ~。
                      
「宮谷和彦」や「トーンワーク」という仕事など、なかなか多岐に渡った話になり充実の90分でした。
次の機会には、台風で失った30分を補完した完全版を聞きたいものです(笑)